『西洋音楽史: 「クラシック」の黄昏』という書物をご存じでしょうか。
岡田暁生さんという方が著者をされているこの本は、クラシック音楽の歴史について非常にわかりやすく解説なされています。
今回は、この本の魅力について語っていきたいと思います。
魅力1:とにかくわかりやすい
この手の芸術系の書籍は、内容が小難しくて読みにくいことがザラにあります。
ところが本書は、初心者にもわかりやすい工夫なのか、比較的平易に書かれており、読むのに苦労することがありません。
クラシックについてほとんど知らない方でも、サラサラと読み進めることができるでしょう。
魅力2:時代背景との対比が見事
音楽史は、音楽の歴史だけをなぞるだけでは理解できません。
人間中心主義の時代であるルネサンス期に流行った音楽と、絶対王政期であるバロック期に流行った音楽は、それぞれ異なる曲想を持っているのです。
そうした世界史の知識と、音楽史の知識が見事にかみ合い、それでいてわかりやすいのが本書の魅力です(読むにあたって世界史の知識は不要だと思います。私は無くても苦労せず読むことができました)
『なぜ音楽が、その時代に、その地方で流行ったのか』……ということが、本書を読むことですごく良く理解できます。
魅力3:面白い
この本の魅力は、何より読み進めるのが楽しいということにあると思います。
「へー、なるほどね!」と思う内容も多いですし、誰かに語りたくなるような雑学的な知識も随所に存在しています。
歴史を学ぶというのは堅苦しさが付きまとうものですが、本書ではそういった取っつきにくさはなく、全体的にライトな読書感であり、最後まで楽しく読み進めることができます。
読むときのポイント
本書では、それぞれの時代を代表する楽曲がいくつも紹介されますが、重要そうな代表曲が出てきたときは、そこでいったん読書を中断して、紹介された音楽をYoutubeなどで探して聴いてみるのもいいと思います。
そうすると、本書で書かれていることがめちゃくちゃ深く理解することができ、音楽史の面白さを理解することができると思います。
総評
わかりやすく、楽しく音楽史を学ぶことができる名著です。
ライトな読書感だと先述しましたが、決して内容が薄いというわけではありません。
むしろ膨大な知識もしっかり包含されており、全然名前の知らない曲や用語もバンバン登場します。
なので読み終わったときに、めちゃくちゃ学んだ気分になれるんですよね。
音楽史をこれから学び始める初心者や中級者におすすめの一冊だと思います。
興味がある方はぜひ購入を検討してみましょう!